さて、PC版が出ているがPS2版でも新たに発売されたデモンベインオリジナルサウンドトラック。

さてPS2版の発売でどうなったのか。PC版のサントラとの比較という形で比べてみたい。

PS2版 機神咆吼デモンベイン Original Sound Track

いきなり結論から言ってしまうと、ＰＣ版でサントラを買ってシングルMETALLIC WARCRYを買った人は、よっぽどZIZZのファンであるとかフルコーラスアレンジの天意悠久が気になるとかでないかぎりこのCDは買わなくて良いと断言する。
逆に言うと「まだＰＣ版のサントラもシングルも持ってない人はまずこれ買ってみるのも良いかもしれない」という事だ。
ただし、後述する「天意悠久」のロングアレンジが気になる人は友達に聴かせてもらうとかして「いいな」と思ったら買いかも知れない。
で、実際の所一曲一曲ＰＣ版の時のように書いていくのは無駄であると感じたので割愛する。その曲のほとんどはＰＣ版と同じだからだ。
まず今回の違いについて述べると、ジャケット絵が異なる。ただし完全な新規書き下ろし絵はジャケット表面のアルと九郎の絵一枚だけで、この絵のこまかい部分とかは明らかにされていない。
ＰＣ版の時は書き下ろし絵が４枚以上あったのでパワーダウンだろう。
ブックレットの今回の見所としては、ZIZZの歌手、作詞者、作曲者、編曲者によるコメントが見られるところがポイント。
ＰＣ版でピクチャーレーベルだったＣＤは残念ながら一色刷に。
サントラとしての大きな違いは、曲順が大きく変わっていること。
ＰＣ版サントラが一つの作品として曲順を熟考されていると感じる編成なのに大して、PS2版のサントラはゲームの中で登場する順番で曲が並べられているという印象を受ける。
たとえば、ドクターウェストのテーマ曲なんかはＰＣ版のサントラだとDisk1の１５曲目でちょっと遅めなのだが、PS2版ではその登場の早さに影響してかDisk1の８曲目である。ちなみにDisk2に集められていたボーカル曲はかなりバラバラに配置されている。
どちらがよいのかは人それぞれの好みになってしまうのだろうが、僕個人としてはＰＣ版の編成が好みである。
そしてボーカル曲は天意悠久を除いて全てShort.verになっている。フルコーラス聴けないという事だ。新ＢＧＭが４曲増えてボーカルも３曲増えたが、カラオケを削った分考慮したらなぜショートバージョンにしてしまったのかと非常に疑問に思う所だ。
メタリックウォークライの３曲はシングルCDで買えるからともかくとして、既存の４曲（ただし天意悠久は逆に短い）はＰＣ版のサントラを買わないとフルコーラスで聴けないのだ。
追加されたＢＧＭは４曲であるが、僕個人としてはこれを動機にこのアルバムをお薦めするほどの曲は無い気がする。

Disk1.12 機械仕掛けの正義―Automatic Heroism　作曲者：神保伸太郎
　新規追加曲の中で「盛り上がり系」の曲なのだが、盛り上がるまでのひっぱりが長すぎるため劇中ではいいところにたどり着く前にすっとばされて日の目を見ない曲。
たとえばデモンベイン初出撃のシーンで使われたりするのだが使いどころがあまりよくなく曲の魅力が生かされていない。
曲そのものとしては・・・打ち込み感が出過ぎかなと。中盤からよくなるんだけど。
後半のハードなギターが入るあたりはけっこう好きだ。ただデモンベインのBGMとして、というとちょっと合わない曲である。

Disk1.13 匣の外の神　作曲者：七瀬 光
　新しい作曲者という事もあり、新規追加曲の中で一番「おっ？」と思った曲。
オーケストラチックな所がとてもよい。まあでもメインに持ってこれる曲でもなく、ちょっと存在感は薄いかも知れない。

Disk2.03 掛けた心のピース　作曲者：磯江俊道
　ちょっとPhantomっぽい悲しい感じの曲。
既存曲で似た感じのがあったりするとけっこう評価ダウンだなあ。致し方ない所ではあるのだが。

Disk2.04 摩天楼の夜に魔性が哂う　Free Jazz
　「摩天楼の夜は魔性に魅入られて」に比べるとさらにアナーキーな感じである。

Disk2.07 Ｈｅ＞Ｈ＞今の空気　作曲者：立花泰彦
　これは新規追加曲じゃなくて、以前からあったのだが収録されていなかった曲。ギャグシーンなどにつかわれていた曲で「なんでこれ入ってないの？！」と言われた曲だった。今回収録されてちょっと嬉しい。

　そして、聞いてすぐ判ったことだが、PC版PS2版共に二曲目に収録されている「永劫の開演―冥き空の彼方より」は収録しなおされている。これははっきりと断言出来る。
今聞き直してみたら全然違った。アレンジし直し、どころじゃなくて生楽器が入ってるもの。
おそらくオープニングムービーの為に録り直されたのだろう。

そして天意悠久のアレンジバージョン。ＰＣ版の時は「フルバージョン無いのですか？」と聞かれるほど短い曲だったが、継ぎ足す感じでロングアレンジとなった。
ＰＣ版持っててPS2版のサントラも買う人は、まずこれがお目当てなのでは無かろうか。