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アストゥーリアス&いとうかなこLive
in 吉祥寺マンダラ2"
2005/03/15 ライブレポート

ライブ開始前
 一日休みを取ったので昼間は吉祥寺−井の頭公園付近をぶらぶらして遊び、18:10くらい会場前に着くと、丁度予約分のチケットを売り始める所だった。
列の整理が予約順でなく来た順になってしまうなどで多少のトラブルがあったものの無事開場した。 ライブ看板
 会場はざっと見て50人くらい座れる座席のホールだ。ちゃんとテーブルもあるので飲み物の置き場所に困るような事もない。
で、さっきカンバンを撮ったカメラのレンズが突然出なくなり(キャップがついているのと同じ状態)撮影不能に。かなり残念

ライブ開始
アストゥーリアス

 メンバーが出そろうと、いつものように大山さんがマイクを取って挨拶。
10ヶ月ぶり、と聞いて「前回のライブからもうそんなに経って居るんだ」と少し驚いた。「色々動きがあったんですが、それはまあまた後で。ではまず一曲目」と最初の演奏に入った。

1曲目 Dirtance
 始まりはやはりこの曲、Dirtance。連れと最前列席を確保できたため、僕の位置はヴァイオリンの藤本さん(北辻さんの代わりに来ているメンバー)の目の前。これは良い勉強になるとかじり付いて見ていたら、彼女が手に持っているのは黒い弓。もしかしてカーボンボウ?一般的なヴァイオリンの弓はフェルナンブーコという木でできていて炭素繊維を使った弓は音がかなり違うらしくクラシックなどではまず使われない。やはりプログレという事であの弓を使っているのだろう。アタックを出すためだろうか?
そして彼女の立ち位置の上に大きく張り出したコンクリの梁(はり)。弓が天井にぶつかりそうでとても演奏しづらそうだった。

 一曲目が終わり、大山さんから「今日はいつもの北辻さんがスケジュールの都合で参加できなくなりまして」と藤本さんを紹介。「他のメンバーはいつもの通りです」と言っていたのだが、あれ?クラリネットの人もなんか筒井さんじゃないような。本人と言われれば本人のようだけどなんかずいぶん雰囲気が変わって別人かも?でも他のメンバーはいつもと同じと言ってるし・・・筒井さんってこんなに背が高かったっけ。と思っていたらどうやらご本人らしく。髪型も変わってずいぶんクールな感じになっていて驚いた。たぶん隣の藤本さんが小柄なのと、天井(梁)が低くて近かったせいだろう。

2曲目 Adolesecencia
 1曲目から気づいていたことだけど、大山さんの前には譜面台がない。あるのは足下にある進行メモ(曲順とかMCで話す事のメモくらいだとおもう)だけである。ということは全曲暗譜。さすが作曲者本人である。

3曲目 Global Network
 3曲目のGlobal Networkではこの曲になったとたん照明が青い光に変わった。ハロワでのグローバルネットワークを知っている人はとてもぴったりのイメージだと思ったんじゃないだろうか。

 この曲あたりではっきりわかってきたが、やっぱり北辻さんと藤本さんの演奏は違う。どっちが上手いとか下手とかじゃなくて、単純なところでは音の高さの取り方とかタイミングとかが違って全体の雰囲気が違う。
音の高さが違うなと思ったのは替えたばかりの弦(リハ中に切れてしまったらしい)のせいかもしれない。弦の種類によるけどヴァイオリンの弦は張ったばかりの新品だと演奏中でも弦がのびてどんどん音が下がってずれるので。
なんか間奏でギターソロが入ってみたり。クラリネットパートが前に出てみたり、とCDで聞くのとはけっこう構成も変わっていた。

3曲目後のMCでは、今度のメキシコのイベントについて。大山さんが語るにはきっとマニア垂涎の話なんだろうけど、とにかくわからないバンド名がずらりと列挙される。今日の観客の中でどのくらいの人がこれ全部わかったんだろうか。

というわけで今日の曲順はメキシコ行きを想定しているらしい。多分本番も、ほぼこの順番でやるのだろう。

4曲目 Tempters of Providence(神の摂理に挑む者達)
 これはあいかわらず背すじのゾクゾクする曲。やっぱり北辻さんの演奏の方が・・・と思わなくも無いけど、曲の持つ魅力そのものでぐいぐいとひっぱられた感じがする。

5曲目 ソロコーナー
 ここでは曲目の紹介もなく、突然ソロコーナーに突入。
川越さんのディスタンスばりのピアノソロからクラリネットが入り(この時はピアノの伴奏があった)、重音(二つの弦を同時に弾くこと。通常のアストゥーリアスの曲では出てこないと思う)で始まるクラシックのソリストのようなヴァイオリンソロ。そして締めは大山さんのギターソロだった。
これは演奏後「プログレにはつきものの」と言っていたがライブならではとも言えるだろう。

6曲目 新曲 渡り鳥
 11/16拍子と、これまたリズムの取りづらいなんか壮絶な曲だった。ソロコーナーから続けて弾かれたために、この曲まで込みで一つの曲なのだと思っていた。
こんな曲、というイメージを一言で表現できる言葉がこの時は思い浮ばずただ圧倒されているような感じだった。

6曲目のあとは、Bird Eyes Viewフランス版発売の話。これは全世界に流通するらしいです。余談ですがジャケットの内側、各メンバーが演奏しているシーンの写真は以前のライブで僕が撮ったものだったりするのですが、そんな事は決して語られたりしていません。

7曲目 Marching Glass on the Hill
 癒し系、という看板のこの曲だけど、個人的には中間部が好き。妖精や小人の集団がひょこひょこと行軍するという感じで、幻想的でかわいらしく、かつ勇ましいという複雑な印象を受ける。

8曲目 かげろう
思わず息を止めてしまう様な21/16拍子。毎回聞くたびに「1,2,3,4,5・・・・」と数えるのだけれど21拍子などとても追いきれずリズムに乗り切れない。メキシコの人たちはプログレの変拍子でもノリまくるらしいです。盆踊りな日本人にはなかなかノるのが難しいのか、会場は終始真剣に聞き込むような観客ばかりだったような。

 かげろうの後は次回の4/24の告知。まあ今回くる人はみんな知っているでしょうけど。次のゲストがどこのバンドの元ギタリストで今はここ10年ギターは触っていないとかいうハープ奏者だとか。オープニングアクトを勤められるらしいです。
それから、けっこう先の話だけど8月19日?愛知の岡崎市に以前からのファンに呼ばれてライブをやりにいくそうな。
午後三時からで、東京からも日帰りで行けますとのこと。

 ここでメンバー紹介。

9曲目 Ryu-Hyo
 そしてラストは定番のこれ。毎度のコトながらこの曲を聴くとリコーダーという楽器を嘗(な)めてはいけないなと思わされる。

アンコール Bird Eyes View
 たっぷりと聞けて満腹だった為、観客が手拍子を揃え始めたときは「後ろも支(つか)えてるし、まさか」と思ったのだがこの曲がまだ残っていた。
そりゃあメキシコ行きに引っ提げるアルバムの新曲である。これをやらずに帰るわけにいくまい。ラストまで見事な演奏でした。


いとうかなこバンド
 さて、少々の休憩というか準備時間を経ていとうかなこさんのバンド。
かなこさんのMCも軽やかに「火曜日なのにこんなに集まってくれて」と語りだす。大山さんのメキシコ行きに「一緒に連れって下さい」と言ったら「うん、行こうよ、自費で」と言われてしまったらしい。
1曲目 パズル
 オープニングから立花さんのベースが弓で弾かれて導入部を盛り上げる。
今回はアップルストアライブのメンバーに礒江さんが加わったという編成でこれがまたすごい。

2曲目 滑走
 オープニングは今までになかった礒江さんのピアノから曲が始まり編成の違いによる曲のアレンジを堪能できた。聴いた事無くてもベースメロディでなんとなく滑走ぽいな、とわかるものだ。
 パズルではコンガを叩いてノリノリだったしげそ兄貴が今度は自分の座っているカホーン(ぱっと見るとただの箱に見えるけどちゃんと共鳴する仕組みを組み込んである立派な打楽器)でノリノリ

 2曲目のあとは次回作(アルバム)作成中という話、そしてステキな仲間達を紹介しちゃおうかな、とメンバー紹介。
礒江さんは番長、村上さんは兄貴、しげそ兄貴はしげそくんらしい。
立花さんと藤井さんは普通に紹介。
やっぱりしげそ兄貴はここでバナナを食べていた。

3曲目 煌星
 ZIZZで歌うようになったきっかけの曲、という事で歌い始めた曲。
この曲もピアノ主導で始まった。
鈴(クリスマスソングとかでよく使われるシャンシャンいうアレ)を下げて持って上から柄の部分を叩くしげそ兄貴。シャーン、ともキーン、とも取れる硬質で澄んだ音が煌星の切なさを盛り上げる。
村上さんのコーラスがとてもいい。

4曲目 似顔絵女房
 煌星につづくこと、間髪居れずに楽器隊はベースになるメロディを弾き始め、「あ、似顔絵女房だ」とすぐにわかった。これってボサノバ?
しげそ兄貴はこの曲でもいろんな楽器。ちょっとひょうきんな感じの曲でもあるので面白い効果音のような楽器がいくつも飛び出した。
「いつまでも、いつまでも」と小声になる時は客席のコーラスを待っているのだろうか?いとうかなこさんもいつものダンスで陽気に歌っていた。

MCは、大山さんの曲もよく歌わせてもらってる、という事で「大山さんの曲はふしぎな曲が多い」という語。悲しい曲だったり激しい曲だったり、と。でも今日は大山さん作曲の曲をやらなかったなあ。せっかくタイバンだったから大山さんの曲やらないかなあと思っていたので残念。

5曲目 新曲 約束の石
 最近すっかりサポートというかメンバーの一員になった藤井さんの作曲、ラブラブな曲です、と。ピアノとギターでしっとりとした感じ。

世界の名作劇場
6曲目 Lovein' you
 もともとJazzの曲、という紹介は以前のライブレポで何度も言ってるが、やはりこの編成では途中からのラテン調のところが好きだなあ。

7曲目 草原のマルコ
 途中までは普通に悲しげな歌なんだけど、途中からテンポアップしてからのはり上げる声がすごい。なんか毎度同じレポになってしまうな。

世界名作劇場おわり、ここからは再びオリジナルで。

8曲目 卒業証書
 この曲は昔伊藤家で事件があったときを機にできた曲で、実際に藁半紙に墨で書いたんだけど、紙に描いた卒業証書は筒に入れて仕舞っちゃうと忘れちゃうから歌にしたら忘れないよね、と作ったらしい。
いとう家家訓なのだそうな。この曲も次アルバムに入るという。僕も含めファンの間では密かに評判の良いいとうかなこオリジナル曲なのでアルバム収録が楽しみだ。

9曲目 星の海より
 前の曲から繋がって始まる曲。これはまたピアノが入って良い感じだなあ。
やはり村上兄貴のコーラスがGood。

 そしてMCでは、ミニアルバム「パズル」3000枚達成だそうで。これからは普通のCDショップにも流通するらしいです。
インストアライブがやりたい、と。

10曲目 ガラスのくつ
 パズルよりかなしい歌を、と紹介して歌い始める。 
この曲でも立花さんの弓テクがポイント。低音のストリングスはぐぐぐっ、とひっぱられるかのようです。

MCでは今後のライブスケジュール。
いとうかなこさんは4/1(金)大塚RED Zone、ロック編成で。5/1 横浜Blitz(Nitro Super Sonic 2005)、礒江さんの参加するカリキュラマシーンが3/27 大塚RED Zone、立花さんが4/13(水) 即興演奏でやるらしい。CDJってなんですか?

11曲目 BLAZE UP
 燃え上がる歌行って見ましょうか、と歌い始めたBLAZE UP、磯江さんのピアノがまるでJAZZみたいだ。
この曲はやっぱりノリがいいなあ。

 今日はゲームで使われてる曲をやりましたねえ、とかなこさん。去年PS2にも移植されて盛り上がってるんですよ、とそのED曲という事で・・・

12曲目 天意悠久
 今回はギター主導ぽい導入で今まで聞いたのとはけっこう違う感じだったかも。

 戻ってきたかなこさん、「さっきのデモンべインですけど、見かけたら買っちゃったりして下さい」とか言いながらギターを構え

アンコール What's UP / パズル
 What's Upはアップルストアでも聴いた曲。裏声使う所とか「Hey-ey-ey-e」という部分がとても印象的だが英語の曲なので内容はよくわからない。
パズルは急遽「やっぱり自分のオリジナルで締めたい!もう一回歌っても良い?!」と歌っちゃったもの。今からもう一曲歌うよ、と言いながら「終電ある人は帰るなら今だよ!」というのはやっぱり駄目だと思います(笑)。


 ライブが終わったのは22時半をすぎたくらい。19時半開演予定だったのが多少ずれ込んだのを考えても3時間ぐらい楽しめたんじゃなかろうか。なんとも充実したライブだった。


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